- 会社をやめてフリーランスになりたいと思っているんだけど……
- フリーランスは再就職手当を受給できるの?
- 再就職手当を受給するための手順を教えて!
会社を退職してフリーランスとして開業する場合「再就職には該当しないの?」と仕組みや、申請する方法がわからないケースは非常に多くあります。
僕はフリーランスとして開業したときに、約51万円を再就職手当として受給しました。失業保険として受給しなかった理由は、子どもが認可保育園に入園していたからです。
この記事では、これから独立に向けてサポートを受けたい方へ、再就職手当をもらうための条件から申請する際の注意点までまとめて解説します。
この記事を読めば「再就職手当を受給できる条件と手順」が全て分かります。
僕が再就職手当の手続きで困ったことを書きました。独立への不安を解消したい人は最後まで読んでください。
退職金の相場や平均額が知りたい方はこちら。
> 中小企業の退職金は少ない?平均相場と勤続10年で実際にもらった金額を比較解説
失業保険(雇用保険)とは?
失業保険とは、会社を退職して次の仕事を探している期間に支給される手当のことです。
受給対象は「過去2年間で12カ月以上、雇用保険に加入していること」です。つまり企業で2年以上、勤務した人が対象になります。
再就職手当とは?
再就職手当とは、雇用保険の受給資格を満たしている人が、就職や開業した場合に支給される手当のことです。
フリーランスとして開業した場合は、失業保険ではなく開業祝い金として支給されます。
フリーランスが再就職手当(失業保険)を受給するための条件9つ
フリーランスになる人が、再就職手当を受給するための条件は次の9つです。
- 待期期間満了後に事業を開始したこと
- 失業保険の支給残日数が3分の1以上あること
- 離職前の会社と密接な関わり合いのない事業を開始したこと
- ハローワークの紹介によって就職すること
- 1年を超えて勤務していること
- 雇用保険の被保険者であること
- 3年以内に給付金を受給していないこと
- 求職申し込み前に採用が内定していないこと
- 支給決定日までに廃業していないこと
待期期間満了後に事業を開始したこと
受給手続き後の7日間の待期期間を満了後に開業届を提出してください。
待期期間は「パート・アルバイト・日雇い労働などの臨時的な仕事」は禁止です。
失業保険の支給残日数が3分の1以上あること
フリーランスは失業手当を受給できないため、支給残日数を気にする必要はありません。
離職前の会社と密接な関わり合いのない事業を開始したこと
離職前の会社と、密接な関わり合いのない事業として開業しましょう。
たとえば「離職前の会社から下請け仕事をする」場合は、確認が必要です。
ハローワークの紹介によって就職すること
フリーランスの場合は自分で事業を立ち上げるため、ハローワークの紹介にはなりません。
1年を超えて勤務していること
フリーランスの場合は「1年以上の安定した収入の見込み」を証明する必要があります。
雇用保険の被保険者であること
雇用保険の被保険者として、会社の勤務日数が31日間以上であり、週20時間以上の所定労働時間が必要です。
3年以内に給付金を受給していないこと
過去3年以内に再就職手当の支給を受けていなければOKです。
求職申し込み前に採用が内定していないこと
フリーランスの場合は、内定状況は関係ありません(自分で事業を立ち上げるため)。
支給決定日までに廃業していないこと
フリーランスの場合は、再就職手当の支給が決定するまでは廃業届を提出しないようにしましょう。
フリーランスが再就職手当(失業保険)を受給するまでの手順
退職してから再就職手当をもらうまでの手順はこちら。
- 公共職業安定所(ハローワーク)で求職申し込み
- 開業届と青色申告承認申請書の作成・提出
- 開業手当の申請
> フリーランスの年金手続きの方法は?老後資金の対策についても解説
> フリーランスは社会保険に加入できる?健康保険料を安くする方法も解説
1.公共職業安定所(ハローワーク)で求職申し込み
会社をやめたらまずハローワークで「再就職手当支給申請書」と「雇用保険受給資格者証」を提出してください。(提出期限は開業届を提出した翌日以降から1ヶ月以内)
事前に自宅のパソコンやスマホから、「ハローワークインターネットサービス」に仮登録しておくのがおすすめです。
月初や週明けは、ハローワークが混雑している可能性があります。
事前登録することで、手続きや待ち時間を短縮できるのでおすすめです。
2.開業届と青色申告承認申請書の作成・提出
個人事業主(フリーランス)として事業を始めるときは、開業後1ヶ月以内に近くの税務署に開業届を提出する必要があります。(青色申告で確定申告したい人は開業届の提出が必須)
「開業freee」を使って、開業届と青色申告承認申請書を作成するのがおすすめです。電子申告を利用すれば、税務署に書類を持っていく手間がかかりません。
国税庁のホームページから、開業届のフォーマットをダウンロードできます。「開業freee」のガイドに従って入力すれば、簡単に作成可能です。
また「freee電子申請・申告アプリ 」を使えば、スマートフォンで電子申請ができます。
開業届と青色申告承認申請書の控えは、再就職手当の申請などで必要です。大切に保管しておきましょう。
3.開業手当の申請
税務署に開業届と青色申告承認申請書を提出したら、開業手当の申請をしましょう。
開業届を提出した翌日以降から1ヶ月以内が、申請期限になります。
再就職手当(失業保険)の申請に必要な(証明できる)書類は?
再就職手当の申請に必要な書類は以下の5つです。
- 失業認定申告書
- 雇用保険受給資格者証
- 開業届の写し
- 再就職手当支給申請書
- 個人事業主として1年以上働けることを証明できる(1年以上自立することを確認できる)書類
失業認定申告書
再就職手当を受けとるためには、ハローワークに失業認定申告書を提出する必要があります。
失業認定申告書は「定期的に求職活動を行っていること」を証明するために必要です。
雇用保険受給資格者証
雇用保険受給資格者証を受け取るために、「雇用保険受給説明会」に出席しましょう。
「再就職手当を受け取る資格」を証明するために必要です。
開業届の写し
開業届を書面で税務署に提出した場合は、直接ハンコを押してもらえます。その書面が原本になるため、必ずコピーして写しを提出用に使いましょう。
再就職手当の申請以外にも、認可保育園の「自営業申立書」(住んでいる自治体によって書式が異なる)の提出の際も、開業届の写しが必要です。
e-Taxで申し込んだ場合は、開業届の控えはありません。必要な場合は、e-Taxのページから印刷しましょう。
再就職手当支給申請書
再就職手当の受給条件を満たしているかどうかの審査を行うために、再就職手当支給申請書が必要です。
ハローワークに
- 雇用保険受給資格者証
- 失業認定報告書
- 開業届の写し
を提出したら、再就職手当支給申請書を受け取れます。
個人事業主として1年以上働けることを証明できる書類
個人事業主として1年以上働けることを証明できる(1年以上仕事を受注できることを証明する)書類とは、
- 売買契約書
- 売上帳簿
- 領収書
- 入金口座の明細
- 業務委託契約書
などの書類のことです。
「1年を超えて自立することを確認できる書類」という言い方もします。
再就職手当(失業保険)の申請をするときの注意点
再就職手当の申請をするときの注意点は以下の3つです。
- 開業届を出す(起業する) タイミングに気をつける
- 新事業の売上の見通しが立っているか確認する
- 仕事の受注先との契約内容に虚偽はないか確認する
開業届を出す(起業する) タイミングに気をつける
開業届の提出は、開業してから1ヶ月以内にするのが一般的です。
1ヶ月以上遅れても罰則はないため、開業届を出すタイミングは人それぞれになります。
また、子どもが認可保育園に入所している状態で、会社を退職した場合1ヶ月〜3ヶ月(各市町村によって異なります)以内に開業しないと、退園になってしまいます。
上記の場合、開業届を出すタイミングは、子どもの保育園に合わせて決めましょう。
開業日を決める方法は、再就職手当申請書類の「開業を決意した日」に記入すれば完了です。
開業日は自由に決められます。しかし、再就職手当の申請期間は「開業した日付から2年間」になるので注意しましょう。
新事業の売上の見通しが立っているか確認する
再就職手当の申請には「個人事業主として1年以上働けることを証明できる(1年以上仕事を受注できることを証明する)書類」が必要になります。
そのため、新事業の売上の見通しが立ってから申請するのがおすすめです。
売買契約書などの書類が準備できない場合は、発注書や2ヶ月分の領収書でも申請できます。
仕事の受注先との契約内容に虚偽はないか確認する
再就職手当を受給したいという目的で、虚偽の申請をすると必ずバレます。
なぜなら、再就職手当の書類を提出後、ハローワーク担当者が取引先へ電話確認するからです。
はじめから虚偽の申請をしないようにしましょう。
よくある質問
フリーランス(個人事業主)が再就職手当(失業保険)をもらえないケースは?
ハローワークで正式な手続きをすれば、再就職手当はもらえます。
申請前に確認すべきポイントはこちら。
- 受給手続き後の7日間の待期期間中でないか
- 申請期限(開業届を提出した翌日以降から1ヶ月以内)を超えていないか
- 雇用保険説明会と初回失業認定日に出席したか
フリーランス(個人事業主)が届け出せず再就職手当(失業保険)をもらうとバレる?
開業届を出さずにフリーランスとして業務委託で仕事を請け負っている場合は、取引先の確定申告でバレます。
再就職手当を申請するために、取引先に事情を説明して、収入をなくす必要があります。
フリーランス(個人事業主)の再就職手当(失業保険)の金額はいくらもらえる?
僕が実際にもらった金額を紹介します。
- 勤続年数14年(36歳で退職)
- 自己都合退職
- 大学卒
- 地方中小企業
- 営業職
- 再就職手当約51万円
まとめ:フリーランスになる人は再就職手当をもらい開業資金にしよう!
最後にもう一度内容をまとめます。
【再就職手当を受給するための条件】
- 待期期間満了後に事業を開始したこと
- 失業保険の支給残日数が3分の1以上あること
- 離職前の会社と密接な関わり合いのない事業を開始したこと
- ハローワークの紹介によって就職すること
- 1年を超えて勤務していること
- 雇用保険の被保険者であること
- 3年以内に給付金を受給していないこと
- 求職申し込み前に採用が内定していないこと
- 支給決定日までに廃業していないこと
【退職してから再就職手当を受給するまでの手順】
- 公共職業安定所(ハローワーク)で求職申し込み
- 開業届と青色申告承認申請書の作成・提出
- 開業手当の申請
【再就職手当に必要な書類】
- 失業認定申告書
- 雇用保険受給資格者証
- 開業届の写し
- 再就職手当支給申請書
- 個人事業主として1年以上働けることを証明できる書類(1年を超えて自立することを確認できる書類)
再就職手当はフリーランスとして活動するために、大事な開業資金になります。必ず申請しましょう。
とはいえ、開業資金だけではお金の面で不安という人が多いはず。なるべく初期費用をかけずに事業を始めるのがおすすめです。
ということで、初期費用がない人でも始められるWebライターを紹介します!
ぜひ下記の記事を参考に、独立を目指してください。